How Toデザインしよっ!

2024.06.13

小池マジック! 小池都知事のキャッチコピー力を考える!!

都知事選にぎわってますね。
今回はデザイン一般の話として、小池さんをネタにキャッチコピーを考えてみたいと思います。
小池さんはキャッチコピー使いの達人です。
好き嫌い、支持不支持は別にして、どんな言葉を出してくれるか僕は楽しみにしています。

バズワード

皆さん、バズワードって言葉ご存じですか?
なんか意味はよくわからんけど、広く世間に広まっている専門用語的な言葉です。

DX、UI、ユビキタス・・・
僕はざっくり、コンサルが企画書映えする言葉として使いやすいように、わざと曖昧にしているんじゃないかと疑っています。

なんか最新の言葉っぽくって、みんなよくわからんうちに使っている言葉。
それがバズワードです。

このバズワードのバズは、バズるのバズですね。
多分、バズワードって言葉と英語のBUZZってのが入ってきて、のちにバズるっていうネット用語になっていったんだと思います。記憶違ってたらごめんなさい。

その一つにWeb3.0というのがあります。
ブロックチェーンやらNFT、メタバースみたいなのを総称してあたらしいウェブの技術として紹介されていたように思います。
一応Web2.0ってのがあって、SNSとかスマホだっけ?
ググるん面倒なので間違ってたらごめんなさい。
なんか、そういういい方が流行っとりました。

小池さん、そういう言葉を使うのが上手です。

東京大改革3.0

小池都知事が打ち出した「東京大改革3.0」って見たとき、思わず吹き出しそうになりました。

キャッチコピーのお手本です。
やっぱり、小池さんのワードセンスは半端ないですね。

思いつくかどうかが重要じゃないんです。
使うと決めることが重要なんです。

ほにゃらら2.0とか3.0なんてのは、どこにでもある言葉です。
多分元ネタになっている「Web3.0」自体がバズワードなのですから、曖昧中の曖昧ワードです。

でも、まるで「東京大改革2.0」があったみたいじゃないですか!!
大きな改革に継続的に取り組んできた感が出てるじゃないですか。

一周遅れの今っぽさ、多分これも重要で、ガチガチの最新ワードじゃなくって、ちゃんと有権者層のおじさん、おばさんにも伝わる、ちょい古いけど認知のあるワードを選んでるんですよ。
多分。
しらんけど。

でも、すごく使いやすい言葉。
見出しにしやすい言葉ですわ。
覚えやすい。
早速マスコミの皆さんは使ってますね。
3.0の部分だけ覚えてもらったら十分。
これだけで、次をやる、前進するという意思があるように見えてしまう。

「大改革を全力でやります!」よりも「3.0」のほうが、なんか前進しそう。
多分、選挙にはそれで十分。

首都防衛

たまたまテレビか何かで東京都の災害対策は「首都防衛」だとおっしゃっているのをみました。これもすごいワードですね。
確かに、いろいろ首都に機能が集中していますから、大雨のたびに混乱していたらまずいですよね。
間違っていないですし、なんか、もう、日本のために首都を守るみたいな、そんなニュアンスさえ出てきます。

これも、気候変動、自然災害なんて言葉ならべるよりも、はるかに貫通力のあることば。

見出し映えしますよね。
そして、中身がない。

キャッチコピーのお手本のようです。

キャッチコピーは無意味なほうが良い

キャッチコピーって意味なんか無いほうが良いんです。
首都防衛を厳密に定義したら、それは国家の事業ですよね。
当然、小池さんはそんなこと百も承知。めちゃめちゃ言葉を選びながら、ちょっとだけ北のミサイルに触れていたのが面白かったですが、結局何のことかさっぱりわからないまま言葉を並べていました。
あれもスキルですね。意味がありそうでギリギリ意味がない言葉を繋げるスキル。

それは冗談として、キャッチコピーは意味じゃないんです。
雰囲気なんです。

ピアノの売ってちょうだ~い
みんなまぁるくタケモトピアノ~♪

ね、何の意味もないでしょ?

意味なんてなくていいんです。
でも、味はしないといけないんです。

その点バズワードはいいです。バズワードはそもそも定義があいまい、厳密にしようにも元の定義が定まってない言葉です。そういうのを小池さんはサラッと使うのが上手いんですよね。

味はするけど害はない

僕はコピーライターではないので、コピーライターがするようにライティングはできませんが、キャッチコピーや文章、企画書を書くときに常に気を付けているのが「味はするけど害がない」ということです。

意味ほどではなく味がするという感じ。
いい感じがする。前向きな感じがする。中身は何も決まってませんよという感じ。
そして害がない。誤解を与えない、過度な期待を与えない、間違った印象を与えない、関係各所とハレーションを起さない・・・。
そこをものすごく考えます。

都民ファーストの会
チルドレンファースト

これがもし、都民の生活を第一に考える会としたらどうでしょう?
仕事はどうなんだ。勉強はどうなんだ、エンタメはどうなんだってなりません?

子どもの権利を最優先に考える政策としたらどうでしょう?
子供以外の権利はどうなんだってなりません?

その点ファーストは、ちゃんと味がするのに、実態がつかみにくいから批判しにくいでしょ?

ファーストって何?
なんか優先っぽい感じ?くらいですよ。
ここが実にうまい。
英語が多くてわかりにくいとか批判されていますが、小池さん、わざとですよ。
便利にわざとわかりにくくしているんですよ。

そうやって、批判耐性を高めているんです。

小池都知事、好きな人も嫌いな人も、都民以外の人も、その名コピーライターぶりに注目してください。もちろん、百発百中というわけじゃないですが、勉強になります。

認知の重要性

では、なぜこれらのワードが良いのか?
つまり、キャッチコピーとして機能するのか?

それが、人の認知機能に関わってきます。

人は物事を第一印象で直観的にまず判断します。
言語的にものを考える前に、一度直観的に決断を一度してしまいます。
このあたりは認知なんちゃらとか脳なんちゃらの話をネットで探すといっぱい偉い先生が解説していますので、興味ある方は探してみてください。

第一印象の重要性を科学的、統計的に説明している話はいっぱいあります。

で、自分に関心ごとの強い問題なら、そこから意識的な、意味的な思考に入っていきます。

人間関係やら何やら、他の決定要因もありますし、ほにゃらら党を支持するから批判する、みいたいな別の事情が絡むことも多々あります。なので、第一印象ですべてが決まるというわけじゃないのですが、でも、誰もが一度は直感的に判断をしているそうで、少なからず意思決定に影響を及ぼします。

ですので、キャッチコピーも字面からくる印象で瞬間的になにかしらの判断をしていると思われます。
それが、人間の本能的な機能なんです。

だからキャッチコピーは重要なんです。

キャッチコピーの役割は、第一印象を与えることです。

わかりにくいと印象に残すことが出来ません。
キャッチ―とは「人の心をとらえる、覚えやすい」という事らしいです。

小池さんが考えたのか、誰かが言ったのを採用したのかわかりませんが、その言葉を選ぶセンスは抜群です。

3蜜とか、ステイホームとかもそうなんですかね?

あの、政治家として支持するものじゃないですし、都民だとしても多分入れないと思うけど。
これからしばらく都知事選ネタでにぎわうと思うので、小池さんがどんなワードを出してくれるか、そこを楽しみにしています。